花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識

花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識日本人の2人に1人が花粉症と言われている現代、このページをご覧の多くの方も春先など花粉シーズンには目鼻のかゆみや鼻水、くしゃみ、頭痛などに悩まされていらっしゃるのではないでしょうか。

もし、外出中だけでなく「家に帰っても症状が変わらない」という場合、24時間換気システムが原因となっている可能性があります。本記事では、自宅でも花粉症に悩まされているという方向けに、24時間換気システムの仕組みや、室内での花粉やPM2.5への対策を解説します。

 

 

花粉症対策のために24時間換気を止めていいのか?

花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識自宅で花粉症に悩まされている場合「とにかく外から空気が入るのを防ぐ」という考えになるかもしれません。では、外から空気を取り込む「給気」を担う24時間換気システムを止めることは有効なのでしょうか?

回答としては「室内に入る花粉の量は減らせても、健康への大きな懸念がある。」となります。

 

健康被害を防ぐための24時間換気

24時間換気システムは、2003年に制定されたシックハウス対策基本法により義務付けられました。その目的は、カビ・ダニが発生して汚れた空気や建材から揮発される接着剤の成分など、身体に害を及ぼす空気をしっかり家の外に排気することです。

つまり、24時間換気システムを止めることで花粉の流入を抑えられたとしても、室内の空気を正しく排気できなければ、別の健康被害が発生する可能性が高まってしまうのです。

ですから、たとえ室内でも花粉症に悩まされていたとしても24時間換気システムを止めることはお勧めできません。

そうは言っても「花粉シーズンに換気扇や給気口から花粉が入り込んで困っている」という方もいらっしゃるでしょう。ここからは、24時間換気システムの換気方法別に花粉対策の方法を解説します。

 

24時間換気システム|自分でできる花粉やPM2.5対策

花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識一言で「24時間換気システム」と言っても、様々な種類があります。

24時間換気が義務付けられたのは2003年ですから、築20年を超えるような一戸建てや賃貸アパートには、しっかりした換気システムが設置されていない場合があります。

そういった住居では、台所やトイレ、お風呂場の換気扇が排気設備として扱われている場合が多くあります。

 

住宅の多くで採用される第三種換気システム

24時間換気の義務化後に建築された一戸建て住宅の多くは、機械で排気して壁の給気口から自然に給気する「第三種換気」が採用されています。

天井裏や床下に配置した専用の機械で排気し、廃棄による圧力の変化を利用して、各部屋の壁に空けられた穴(給気口)から空気を取り込む仕組みです。一戸建てでは効率よく排気するためにダクトを使うことが多く、マンションなどではダクトは使われないことが多いです。

花粉やPM2.5はこの給気口から侵入してきますので、給気口に侵入をカットするフィルターを付けるということが基本的な対策となります。

花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識多くの場合、給気口には元々フィルターがついています。しかし、フィルターの目が粗く花粉をカットできなかったり、目詰まりして汚れていたりという場合があります。

花粉症が気になる場合、アフターメンテンスがしっかりしている会社であれば、花粉やPM2.5をカットできるフィルターに交換を相談できるでしょう。

なお、現在は花粉をカットできるフィルターを簡単に手に入れることができます。そのため、自分で対策することも難しくはありません。

花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識

自分で対策する手順は以下の通りです。
①自宅の排気・給気の仕組みを確認する
②給気口の場所を確認する
③給気口の形状や大きさを確認する
④花粉やPM2.5をカットするフィルターを購入する
⑤必要に応じてサイズを調整し設置する
※100円ショップなどで手軽に買える場合もあります。

普段、自宅の換気を気にしていなかったという方は、換気の仕組みや空気の流れを確認して花粉対策をしてみてください。

 

高性能な24時間換気システム【第一種換気】でしっかり花粉対策

花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識高性能住宅では、先ほど解説した「第三種換気」とは異なり『排気も給気も機械で行う』換気システムである「第一種換気」が採用されている場合があります。

第一種換気システムでは、1つの給気口から外気を取り込み、機械を経由して各部屋に空気を送る仕組みになっている場合が多く、機械の部分もしくは給気口に専用のフィルターが取り付けられています。

花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識

第一種換気システムは、花粉やPM2.5対応しているものが多いです。

また、温度や湿度も調整できる「熱交換型」と言われる製品もあります。高気密高断熱住宅の新築時には、熱交換型の第一種換気を採用することで、快適性を高めることができるでしょう。

ただし、費用が高くなることや、メーカー独自のフィルターを採用していることが多くフィルター交換方法が限られるというデメリットがあります。

 

第一種換気でも花粉症に悩まされる場合

もし、花粉やPM2.5対応フィルター付きの第一種換気システムでも、室内での花粉症症状が気になる場合には、以下の点を確認してください。

①帰宅時の衣服などについた花粉がしっかり落とせているか?
➁花粉以外のホコリなどのハウスダストが原因になっていないか?
③花粉飛来がひどい日に洗濯物や布団を干していないか?

いずれの対策も万全なのに症状が治まらない場合には、施工した住宅会社に住宅の気密や換気システムの不具合、フィルターに異常がないかを確認してください。

 

間取りでも花粉対策可能

室内での花粉症が気になる場合の確認項目をご紹介しましたが、間取りでも花粉対策が可能です。

例えば、外出時のコートを掛けられるような玄関収納を設ければ、居室に持ち込む花粉の量を減らすことができます。さらに、居室に入る前にシャワーを浴びられる動線であれば、髪などに付いた花粉も落とすことができます。

花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識また、外断熱の高性能住宅は、家の中がカラッとしているため洗濯物の乾きが早く室内干しする方も多いです。そのため、花粉の飛散が多い春先でも安心して洗濯をすることができます。

 

家の花粉・PM2.5対策には気密性も重要

花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識ここまで、換気システムの種類別に花粉症やPM2.5対策の方法をご説明してきました。しかし、これらの対策も家の気密性が高く無ければ効果が薄くなってしまいます。

気密性は「家のすき間」を表します。どんなに良い換気システムを使用して対策をとっても、家に隙間が多ければ換気システムの給気口以外から「花粉やPM2.5対策されていない空気」が入ってしまいます。

詳しくは「気密性能」ページをご覧ください。

 

まとめ

花粉が入ってくる!?正しい24時間換気の知識本記事では、自宅でも花粉症に悩まされているという方向けに、24時間換気システムの仕組みや、花粉への対策を解説しました。

今の住まいの換気がどのような仕組みで行なわれているかによって対策は変わります。そのため、まずは自宅の24時間換気システムを知ることが重要です。

その上で適切な対策をとれば、室内への花粉の侵入を防ぐ・和らげることができます。

 

熊本工務店の高性能な注文住宅では、花粉対策に優れたフィルターを持つ「第三種換気」「第一種換気」いずれの換気システムもご提案できます。さらに、平均C値(気密値)0.15という超高気密で計画的な換気を実現します。

また、住まうご家族にあわせた「完全自由設計」が特徴のため、玄関収納や帰宅動線など、花粉対策を考えた間取りを設計することも可能です。

家づくりをお考えで花粉症にお悩みの方は、是非お気軽に熊本工務店へご相談ください。