気密性能
住宅において気密は重要な指標のひとつです。そこで、気密性を表すC値や気密性が高い家のメリットなどを解説しています。
気密とは
気密は、家全体の密閉度を表すもので、建物や構造の内部と外部の間の空気の流れを最小限に抑える役割を担います。熊本工務店は気密にこだわって施工をおこなっています。
気密が重要な理由
住宅業界では、気密の役割を魔法瓶に例えることが多いため、イメージしやすい魔法瓶を例に気密が大切な理由をご説明します。
夏場に魔法瓶に冷水を入れて蓋をすると温度を保ちますが、蓋を開けていた場合はどのようになるでしょうか?早い段階で冷水の温度が上昇して温くなってしまいます。このように魔法瓶という高い断熱性を誇るものを、密閉させることで温度を逃さないようにしているのです。
住宅も同様です。どれだけ高価な断熱材を使用していても、気密性が高くなければ室内の快適な温度を逃してしまい維持できません。
「魔法瓶の蓋=気密」「魔法瓶=断熱」となるため、気密と断熱はセットで考える必要があります。そして、高気密高断熱であった場合、家の室内は快適な温度を維持してくれるだけでなく、エアコンの稼働率を抑えることができるので、省エネ効果が高まり電気代の削減につながります。
気密を測れるC値
気密は、C値と呼ばれる数値で測ることができます。このC値は、数値が小さければ小さいほど気密性が高いことを示し、住宅建築で最も判断が難しい「施工精度」を知る指標にもなります。
熊本工務店のC値
熊本工務店の家の平均C値は「0.15㎠/㎡」です。これは全国トップクラスの数値であり、高い気密性であることを示します。
C値の比較
隙間の大きさを床面積100㎡(約30坪)の場合のC値の比較と、そのC値がどの程度の大きさなのかを身近な物で例えた表です。
家 | C値 | 例 |
---|---|---|
一般的な家 | 10㎠/㎡ | A3用紙 |
省エネ基準の家(全国) | 5㎠/㎡ | B5用紙 |
省エネ基準の家(北海道・東北) | 2㎠/㎡ | はがき用紙 |
熊本工務店の家 | 0.15㎠/㎡ | 名刺の約半分 |
C値の計算
C値と換気
気密と換気は切り離せない関係にあります。なぜなら、気密が計画換気に影響を与えるためです。C値が5㎠/㎡の場合、給気口から正しく入る空気は18%ほどしかなく、82%は隙間から入ってしまいます。
もしC値が1㎠/㎡に向上しても50%ほどです。しかし、熊本工務店のC値0.15㎠/㎡であれば90%の計画換気を実現できます。つまり、24時間計画換気は高気密前提のシステムなのです。
高気密のメリット
断熱性能を向上させる
C値の比較にもあるように、一般的な家はA3サイズほどの隙間があります。こんなに大きな隙間があっては、良い断熱材を使っても隙間から侵入する外気によって断熱効果が損なれてしまいます。
高気密住宅であれば、外気の侵入を防いでくれるため、室内が外気の影響を受けることがなく、断熱性能を最大限に引き出すことができます。
理想的な換気ができる
現在、24時間計画換気が義務付けられているため、給気口と排気口を設置して空気の流れをコントロールします。ですが、気密性が低いと隙間から空気が出入りして計画換気をおこなえません。
高気密住宅であれば、給気口と排気口の空気の流れを正しくコントロールできるため、計画通りに理想的な換気をおこなうことができます。
結露が発生しなくなる
気密性が低いと冬場に隙間から冷気が侵入します。すると、外気と室内の温度差で生じる壁内結露が発生し、カビが発生するのです。さらに、カビを餌にダニが繁殖してしまいます。
高気密住宅であれば、冬場に冷気が侵入しないため結露が発生しません。そのため、カビやダ二が原因になるハウスダストを低減できます。
汚染物質の侵入を防ぐ
隙間が多いと窓を閉めていても花粉や黄砂やPM2.5などが家の中に侵入してきます。アレルギーをお持ちの方であれば、花粉症などの症状に悩まされてしまうことでしょう。
高気密住宅であれば、汚染物質を含む空気を室内に入れないだけでなく、花粉・PM2.5フィルターを取り付けてより快適な室内にできます。
室外と室内の音を遮断
気密性が低い家は、たくさんの隙間が存在しているため、室外の騒音を遮断することができず室内に届いてしまいます。また、室内の生活音も室外に漏れてしまうのです。
高気密住宅であれば、室外と室内の音を遮断することができるため、お子さまが走り回ったり大声を出したりしても注意しなくて済みます。
気密測定は第三者
気密測定は、サッシや断熱材を取り付けし気密工事が完了した段階でおこないます。専用の機械を使って室内の空気を排出することで、室内を気圧の低い負圧にして計測します。
家に隙間が多い場合、「測定不能」や「空気が漏れる」などの事象が起こります。また、測定では隙間の多さだけでなく隙間の集中する場所を知ることもできます。
気密測定の結果、熊本工務店が保証するC値「0.7㎠/㎡」以下に達しない場合、達するまで隙間を埋める気密工事をおこなっていきます。
気密を高くするには
気密を高くするには、建築会社に知識や技術や経験が必要になるだけでなく、実際に建築をおこなう現場監督や大工職人が丁寧に施工しなければ実現できません。C値で施工精度を測れるとお伝えしたのは以上の理由があるためです。
まとめ
気密性が高い場合、「断熱」と「換気」を正しくおこなうことができるため、お住まいになる方にとっても数々のメリットが生まれます。そのため、住宅選びにおける重要な指標にできるでしょう。
しかし、現在はC値の基準が定められていないため、建築会社がホームページなどで公表する・しないを選択できるだけでなく、気密測定をおこなうことも義務付けられておりません。
ですが、熊本工務店では、お客様に安心の住宅を届けたいという想いから、全ての住宅で気密測定をおこないC値を公表しています。数々のメリットがある高気密住宅にお住まいになりたい方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。