【24時間換気と冷房】夏場でも涼しい家を実現する方法
そう感じてしまう気持ちもわかりますが、家の涼しさは24時間換気システムが担う役割ではありません。
そこで今回は、夏場の24時間換気システムの疑問や、夏場に少しでも涼しく暮らす方法などの疑問にお答えします。
夏場に24時間換気を付けていれば涼しい?
エアコンのない時代、夏場の暑さをしのぐ方法は「風通しを良くすること」でした。また、木造の日本の家を長持ちさせるには湿気対策が必要不可欠だったのです。
ふすまや障子を開けると部屋がつながり、風が通り抜けます。床下もなるべく高くして風通しを良くしていました。昔ながらの日本の家は夏向けに設計されていたのです。
家を換気する理由
家を換気する理由として以下のようなものが挙げられます。
●汚れた空気を入れ替えたい
●熱気や湿気がこもるのを防ぎたい
●風を取り込み、家を涼しくしたい
換気の理由に「風を取り込み、家を涼しくしたい」とあるのですから「24時間換気を付ければ夏場は涼しいはず」と思うのも当然の様に感じます。
しかし、この考え方は間違いです。
24時間換気の役割
24時間換気の話をする際「なぜ24時間換気をするのか」を忘れてはいけません。
24時間換気システムの役割は「空気がよどみやすい」という現代の家の弱点を機械換気でカバーすることです。
湿気を要因として発生するカビやダニなどのハウスダストや新建材から発散される化学物質の影響により、新築住宅で健康被害が相次ぎました。そこで、2003年に『シックハウス対策基本法』の下、24時間換気システムの義務化が施行されました。
空気のよどみを解消することが目的の24時間換気の空気の流れは、窓を開けて風が通り抜ける時ほど強くありません。そのため、24時間換気を付けても涼しくはならないのです。
年々過酷になる夏場の暑さ
「地球温暖化」という言葉が飛び交うように、夏の暑さは年々過酷になっています。気象庁のデータから福岡の気温を見ると、8月の平均気温は1950年が26.5℃、2023年は29.7℃と3℃以上も上昇しています。
24時間換気は、空気をしっかり循環できるためシックハウスの問題は解決していますが、ジワジワ熱い外気が侵入してしまいます。
現代の家は『部屋の温湿度の管理は基本的にエアコンでおこなう』ことが大前提です。24時間換気は寒さや暑さ対策ではないことを理解しておきましょう。
24時間換気のせいでエアコンの冷房が効かない?
確かにその考え方自体は間違いとは言えません。しかし、例えその通りであったとしても、24時間換気システムは健康被害を防ぐため、常に作動させていなければいけません。
冷房の効きが悪い原因
しかし、冷房の効きが悪い=室内が不快になる理由には、24時間換気よりも大きな原因があります。
なぜなら、エアコンで室内を快適な温度に保つことができていれば、24時間換気でジワジワと暑い空気が入り込んでも、その空気は室内の温度になじみます。そうなれば不快感なく、空気の入れ替えができるのです。
それでは「エアコンを付けても室内を快適な温度に保てない」状況は、どのようにして生まれるのでしょうか。
ここで、計画的な「換気」に加えて注目すべきポイントが「気密性能」と「断熱性能」です。
断熱性は「外気の影響の受けやすさ」の指標です。断熱性能が悪いと外気の影響を受けやすくなり、室温が不快な外気温に近づいてしまいます。
気密性は「家全体の隙間」の指標です。気密性能の悪い家では、計画された換気口以外から空気の出入りが発生してしまい、計画的な換気を実現できません。また、良い断熱材を使用しても十分に性能を発揮することができなくなります。
このことから、冷房の効きの悪さに関しては、24時間換気の影響以前に「断熱性能や気密性能の悪さが大きな原因」と言えます。
快適な住環境は、断熱性能・気密性能・計画換気の3つのバランスが整って初めて実現できるのです。
24時間換気から暑い空気が入ってくる場合の対処法
それでも24時間換気の給気口からの熱気が気になる場合は、冬の冷気対策同様に給気の量を調整するか、いっそのこと窓を開けて思いっきり風通し良くする方が良い場合もあります。
断熱性の悪い住宅の暑さ対策
断熱性能が悪い住宅で夏場に涼しい室内を作るためには、日差しを遮るなど一般的な工夫をすることになります。
〈簡単にできるお部屋の暑さ対策〉
●カーテンやブラインドを使う
●窓際に観葉植物を置く
●扇風機やサーキュレーターを使う
●家具の配置を変えてみる
●ベランダに打ち水をする
この中からポイントを3つご紹介します。
窓際に観葉植物を置く
この作用により、わずかではありますが室温の上昇を和らげてくれるのです。
扇風機やサーキュレーターを使う
暖かい空気は上に上がるという性質があるため、エアコンで冷えた空気は部屋の下の部分にたまります。サーキュレーターで空気の流れを作ることで、部屋の温度をなるべく一定に近づけることができます。
家具の配置を変えてみる
<背の高い家具は壁側に>
背の高い家具は、部屋の中心ではなく壁側に配置しましょう。そうすると部屋の圧迫感もなくなり、開放的な空間になります。
<家具は壁から離す>
家具を壁にぴったり付けて配置すると、風が通らず空気がこもってしまいます。そこで、家具と壁の間には少し隙間を空けましょう。風通しに加えて湿気対策にもなり、家具も長持ちします。
いずれにしても、24時間換気システムは作動させたままにしておいてください。
まとめ
これから家づくりを始める方は、高気密高断熱が得意なハウスメーカーに家づくりを任せる事や、熱交換型の第1種換気を採用することで給気による熱気や冷気の侵入をさらに抑えることもできます。
熊本工務店の注文住宅は高気密高断熱な高性能住宅にこだわり、一年中快適に過ごせる家を建築しています。
「夏場も涼しく暮らしたい」「光熱費を抑えて1年中快適に暮らしたい」という方は是非一度、熊本工務店へご相談ください。
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