24時間換気システム|第三種換気の仕組みとメリット・デメリットを徹底解説
本記事では、24時間換気システムの中でも第三種換気のメリット・デメリット、製品の比較方法など詳しく解説します。
目次
24時間換気システムの3つの方式
●第一種換気:給排気の両方を機械で行う
●第二種換気:給気を機械/排気を自然に任せる
●第三種換気:給気が自然/排気を機械で行う
3つの換気システムの違いについて詳しくは「24時間換気システム|一種・二 種・三種の違いとメリット・デメリット」ページをご覧ください。
第三種換気とは
第三種換気は排気を機械で強制的に行い、排気した分の空気を給気口から室内へ自然に取り込むシステムです。
1時間に0.5回(=2時間に1回)、家中の空気が入れ替わるよう換気量を計算することが定められています。
【24時間換気】第三種換気方式のダクト式とダクトレス
第三種換気方式<ダクト式>
ダクト式は居室等の天井裏にダクトを配置し、各部屋の空気を1つの機械に集めてから排気する方式です。
排気によって室内の圧力が負圧(マイナス)になるため、給気口から自然と外気が入る仕組みとなっています。
第三種換気方式<ダクトレス>
ダクトレスはトイレや浴室などの換気扇が排気機器の役割をします。
ダクト式のように24時間稼働する専用の機械が天井裏にあるわけではないため、トイレや浴室の換気扇(パイプファン)を24時間つけっぱなしにする必要があります。
ダクトレスで十分な換気ができるか
ダクトレスの限られた換気扇で家中の空気を入れ替えられるのか、疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、計算上は可能です。
約36坪の家では、50㎥/hの排気量のパイプファンを3台程度設置することで規定された換気量を確保できます。
位置は間取りや建築会社の考え方、換気計画で決まります。例えば、1・2階のトイレ+寝室または浴室などに設置することで換気計算はクリアできるでしょう。
高気密住宅であることが前提
ダクトレスでも「計算上」十分な換気は可能ですが、隙間の多い住宅の場合には隙間から空気が侵入し、本来給気するべき給気口から取り入れるべき空気が少なくなります。
それでは空気が溜まる場所が発生する原因にもなり、24時間換気が義務化されている本来の目的に合いません。
計画的に換気を行うには、無駄な隙間をつくらないこと、つまり住宅の気密性を高めることが重要なのです。
【24時間換気】第三種換気のメリット・デメリット
第三種換気のメリット
第三種換気のメリットは、第一種換気と比較して設置コストが安いことです。また、ダクト式とダクトレスでは、ダクトレスの方が安価に設置できます。
設置コストが安いため、機器が故障した場合の取り換え費用も抑えることができます。
第三種換気のデメリット
第三種換気のデメリットは、外気の影響を受けやすいことです。
第三種換気は給気口から直接外気を給気します。そのため、外気と室内の温度差が激しい真夏や真冬には、エアコンで温度調節している室内に熱気や冷気が流れ込んでしまいます。
給気口は給気量を調節できるようになっていますが、それでも外気が気になる場合があるでしょう。また、外気の影響を受けることで温度のロスが発生し、冷暖房費も上がってしまうことになります。
第三種換気システムは導入コストが安価なため、これまで多くの住宅に採用されてきました。しかし、住宅の高断熱化に伴い「第一種熱交換換気システム」の採用も増えています。
第一種換気について詳しくは「24時間換気システム|第一種換気のメリットや熱交換の仕組みを徹底解説」ページをご覧ください。
【24時間換気】第三種換気システムに熱交換機能付きはある?
なぜなら、熱交換を行うには「給気の空気」と「排気の空気」を接触させなければならないためです。
第一種換気は、ダクトを使って給気も排気も一度機械に集める仕組みのため、1箇所に集めた空気を接触させ、熱交換することができます。
しかし、第三種換気で熱交換を行おうとすると、さらに特別な仕組みが必要となり、安価で設置できるというメリットがなくなってしまうのです。
つまり、熱交換をしたい場合は素直に第一種換気システムを採用するべきなのです。
【24時間換気】第三種換気システムの比較方法
その理由は、商品の価格や業者との取引関係があることや「断熱・換気・気密性能」は一括りにしてバランスを取らなければ十分な性能を発揮できないためです。
そのため施主は、希望の住宅会社がどのような換気システムを採用しているのかを比較し、納得した上で建築会社を選択する必要があります。
設計事務所などでは換気システムも含めて自由に選択できる可能性が高いと言えるでしょう。
第三種換気の比較で注目すべきポイント
第三種換気の仕組みはシンプルであるため、比較のポイントは「耐久性」「給気」「排気フィルターの仕様」の3点に絞られます。
自分で洗浄できるフィルターの場合、フィルターの交換コストは少なくて済みます。しかし、排気ダクトが汚れやすいという弱点があります。
一方、細かな粉塵をキャッチできる高性能なフィルターの場合には洗浄が難しい場合が多く、定期的な交換が必要となります。
いずれにしてもメンテナンスが必要な機器のため、耐久性を含め実績が豊富で安定した商品を採用している建築会社を選ぶことが大切でしょう。
まとめ
第三種換気システムにはダクトを使って排気する「ダクト式」と、壁付けの換気扇で排気する「ダクトレス」があり、第一種換気と比較して安価で設置できます。
断熱性能の高い住宅は、熱交換機能のある第一種換気を選択すると効果的です。
対して、温暖地域や断熱性があまり高くない住宅であれば、第三種換気のメリットが上回ると考えられます。
ただし、優れた気密性能がなければ計画的な換気はできません。
高性能な注文住宅を建築する熊本工務店の家は、高気密・高断熱であることが特徴です。また、ライフスタイルや地域特性に合わせたバランスの良い性能の住宅をご提案しています。
家づくりの中で「安心・快適に暮らせること」を特に大切に考えたいという方は、ぜひ熊本工務店へご相談ください。
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