24時間換気 システム とは?【必要性を徹底解説!】

24時間換気 システム とは?【必要性を徹底解説!】現在では一戸建てでもマンションでも義務となっている「24時間換気」ですが、その必要性をご存じでしょうか。

本記事では、義務化されるほど重要な24時間換気システムとは何なのか、そして一般的な換気と何が違うのか、基本的な情報を解説します。

 

 

 

24時間換気 システム とは

24時間換気 システム とは?【必要性を徹底解説!】「換気」というと、多くの方は窓を開けて室内の空気を入れ替えることをイメージされるでしょう。春先の晴れの日など、気候のいい状態ならこの換気方法も気持ちが良さそうです。

しかし、大雨の日や真夏・真冬、そしてジメジメした梅雨時ではどうでしょうか。また、共働きの家庭であれば昼間は家を閉め切っていますから、窓を開けて換気をするなら夜間の帰宅後となります。

そのようなタイミングで、皆さんは積極的に換気をしますか?きっと、そのような状況ではほとんどの方が積極的に換気は行わないでしょう。

 

窓を開けなくても24時間換気システムが常に換気してくれる

外が不快な状況や外出時など、窓を閉め切っている時でも24時間換気システムは「機械の力で自動的に空気の入替」をしてくれます。

「レンジフードやエアコンも24時間換気システム?」という質問もありそうですが、レンジフードは基本キッチンのみの換気で、エアコンは外気と室内の空気を入れ替えるものではないため、24時間換気システムには含まれません。

マンションの場合、浴室にある「24時間作動式の浴室換気乾燥機」が排気機器の役割を果たしています。トイレや洗面など他の部屋からも汚れた空気を集めて排気し、外気に面する壁に取り付けられている給気口から空気を取り込む仕組みです。

 

一戸建て住宅の3つの換気方法

24時間換気 システム とは?【必要性を徹底解説!】一戸建て住宅を新築する場合、専用の換気システムが基本的に天井裏や床下に取り付けられます。

24時間換気システムには大きく3つの方法があり、それぞれの特徴とメリット・デメリットは次のようなものです。

 

第1種換気

給気と排気の両方を機械で行うシステムです。

【メリット】
●空気の循環が確実にできる。
換気状態を保てる。

【デメリット】
●導入と電気代のコストがかかる。

 

第2種換気

給気は機械で行い、排気は自然に任せるシステムです。

【メリット】
●汚れた空気を取り込みにくい。
●クリーンルームなど特殊な場所で利用できる。

【デメリット】
●結露が起こりやすい。

 

第3種換気

排気は機械で行い、給気は自然に任せるシステムです。

【メリット】
●室内に空気が溜まりにくい。
●結露しにくい。
●高気密住宅と相性が良い。

【デメリット】
●外気温が室温に影響する場合がある。
●気密性の悪い建物では効果を発揮しない。

 

住宅で使われるのは第1種と第3種

24時間換気 システム とは?【必要性を徹底解説!】第1種・第2種・第3種という3種類の換気システムがありますが、実際に住宅で使用されるのは、第1種と第3種の換気システムです。

そこで、ここでは第1種換気システムと第3種換気システムについて詳しく解説します。

 

第1種換気システムの仕組み

第1種換気システムは、1つの大きな箱のような機械が給気と排気を行なう仕組みで、そこからダクトを介して各居室から排気・給気を行なうのが一般的です。

 

温度や湿度を調整できる製品もある

質の高い換気システムには、給気や排気の際に温度・湿度を調整する「全熱交換式」の製品があり、第1種換気システムと相性が良いです。

全熱交換式のシステムでは、給気と排気を特殊なフィルターを介して触れ合わせることで「汚れは排気」し、温度湿度は室内に入る空気に移動させます。そうすることで室内の温度・湿度を常に一定に保つ働きをします。

 

第3種換気システムの仕組み

第3種換気システムも住宅の建築現場では、ダクトによって集められた室内の空気をまとめて排気する装置を天井裏に設置します。

排気によって「空気がなくなる=室内が負圧になる」と、その分だけ外気に面した給気口から自然と空気が入ってくる仕組みです。

室内を効果的に負圧にしないと計画的な給気が行われないため、第3種換気システムは気密性の高い住宅に適した換気方法と言えます。

 

第1種換気と第3種換気のどちらを選ぶべき?

北国や沖縄等を除く「外気との温度差が少ない地域」は、換気の面だけで言えば第3種換気システムで十分です。

しかし、室内の温湿度の状態を一定にしたいという想いが強ければ、全熱交換式の第1種換気システムを採用することをオススメします。

 

24時間換気の必要性

24時間換気 システム とは?【必要性を徹底解説!】現在、家を新築する際には「24時間換気システムを設置しなければならない」と建築基準法で決められています。換気に関するルールは2003年に以下のように改正されました。

●すべての居室に換気設備が必要
●建築確認申請書に「換気回数」の記載が必要
●24時間換気が可能な機械換気設備設置の義務

このことから、24時間換気では「2時間に1回」家の空気が全て入れ替わるように計画されています。

24時間換気システムの設置を義務とする法律ができた一番の理由は、住宅による健康被害です。

 

健康被害の原因は大きく2つ

24時間換気 システム とは?【必要性を徹底解説!】健康被害の要因は大きく2つあります。

1つは住宅の洋風化と断熱性能の低いアルミサッシの普及で中途半端に密閉された風通しの悪い住宅ができたこと。

もう1つは健康に悪い化学物質を発散する接着剤などを多用した建材が多く使われ始めたことです。

この2つの要因により家中で結露が起こり、カビやダニが発生し、それがハウスダストの原因になりました。また、揮発した化学物質を体内に吸い込んでしまうことで、気分の悪さやアレルギー反応を訴える人々が続出したのです。

これがいわゆる「シックハウス症候群」です。

24時間換気の義務化や、揮発性有機化合物(VOC)の使用に制限がされたことで現在はあまり耳にしなくなりましたが、大きな社会問題になったこともあります。

このような経緯から24時間換気は重要と言われ、義務化されることになったのです。

 

アレルギー系疾患を訴える人は増え続けている

24時間換気 システム とは?【必要性を徹底解説!】アレルギー反応の1つで、主にくしゃみや目がかゆいなどの症状を引き起こす花粉症は年々増加傾向にあります。

また、カビやダニ・化学物質によって引き起こされるシックハウス症候群では、気分が悪くなったり呼吸困難になったり、鬱の症状が重症化したりと、人生を大きく狂わされてしまいます。それも花粉症と同じように突然発症するのです。

 

人が最も多く体内に取り込むのは自宅の空気

人が体内に取り込む物質の質量換算で比較すると、食べ物や飲み物より自宅の空気が一番重いと言われています。普段は全く重さを意識しない空気が一番重いと聞かされると「呼吸によってそんなに多くの空気を体内に取り込んでいるんだ!」と驚かされます。

24時間換気システムの義務化の意味、それは健康被害を予防することなのです。

 

まとめ

24時間換気 システム とは?【必要性を徹底解説!】本記事では24時間換気システムとは何か、そして24時間換気システムの必要性を解説しました。

建築基準法で義務付けられている24時間換気。基本的には機械をずっと作動し続けさせなければなりません。

「電気代がもったいないから動かさないでも良い?」と考える方もいらっしゃるでしょう。それは住む方の自由です。ただし、24時間換気システムは今回解説した通り意味のある設備です。

24時間換気が行われることを前提として住宅は設計されていますので、換気システムを動かさないと適切な換気ができず、様々な不具合が生じる可能性があります。

24時間換気と窓を開けて換気するのとは意味が違うことを理解しておいてください。

 

熊本工務店の高気密高断熱の家づくりは、換気システムの効果を最大限発揮できる構造になっています。いつも適切に換気がされ、末永く健康に暮らせる家を建てたいという方は、ぜひ資料請求をしてください。24時間換気と高気密の関係性を、さらに詳しく解説しています。