断熱の基礎知識【屋根(天井)断熱を詳しく解説】

後悔しない家づくりのための断熱の基礎知識【屋根(天井)断熱を詳しく解説】住宅の断熱は、大きく3つの箇所『屋根(天井)・壁・基礎部分(床)』に分けられます。それぞれの断熱方法は、住宅建築会社の断熱の考え方や設計によって変わります。

本記事では、特に「屋根(天井)の断熱」について詳しく解説。

高気密高断熱な家を建てたい方に、きっと役立つ内容です。ぜひ最後までご覧ください。

 

 

夏場は特に屋根からの熱への対策が重要

後悔しない家づくりのための断熱の基礎知識【屋根(天井)断熱を詳しく解説】意外と知られていないことですが、冬場や夏場の住宅の熱の出入りは窓やドアなどの開口部からが最も多くなります。

そして、太陽の光が厳しい夏場には、開口部の次に屋根から伝わる熱が多くなります。

そのため、特に夏場は屋根に当たる太陽の熱が家の温度を上昇させる原因になっているのです。

つまり、屋根部分の断熱性能を高めることで無駄な光熱費発生を防ぎ、夏でも涼しい快適な室内環境を実現できるという事です。

 

天井断熱と屋根断熱

後悔しない家づくりのための断熱の基礎知識【屋根(天井)断熱を詳しく解説】屋根部分の断熱方法は、大きく分けると「天井断熱」と「屋根断熱」に分かれます。

その言葉通り天井部分に断熱層があるか、屋根の勾配に沿って断熱層があるかの違いです。

 

天井断熱のメリットとデメリット

後悔しない家づくりのための断熱の基礎知識【屋根(天井)断熱を詳しく解説】まずは天井断熱についてご説明します。

天井断熱は、天井裏にグラスウールなどの断熱材を敷き詰めたり、現場発砲系の断熱材を吹き付けたりする断熱方法です。

天井断熱のメリット

天井断熱の代表的なメリットには次のようなものがあります。

比較的安価

屋根断熱に比べて施工面積が小さく手間も少ないため、比較的安価に仕上げる事ができます。

断熱材を厚く施工できる

屋根との間に空間があるため、断熱層を広げる事ができます。そのため、断熱材を分厚く施工することができます。

 

天井断熱のデメリット

天井断熱の代表的なデメリットには次のようなものがあります。

施工精度が悪いと断熱効果を損なう恐れがある

天井断熱は杜撰な施工をしてしまうと隙間ができやすいため、施工精度が悪いと断熱効果を損なう恐れがあります。

夏場は屋根との空間に熱気がこもる

屋根に断熱材が入っていないため、夏場は屋根と天井の間の小屋裏空間に熱がこもります。

そのため、屋根より上の構造躯体がダメージを受けやすくなってしまいます。

小屋裏にこもった熱気の輻射熱が室内に伝わってくる

小屋裏にこもった熱気は、小屋裏空間に留まらず断熱材を通して輻射熱として室内に伝わってしまいます。

輻射熱を抑えるために、断熱材の表面に遮熱材を張った製品もあります。

空気が停滞しカビやダニの発生原因となる

天井断熱の場合、小屋裏の換気への配慮が不足すると空気が停滞してしまいます。

それにより、カビが発生しダニの発生にもつながってしまいます。

小屋裏空間の活用が難しい

天井部分を断熱材で覆うため、天井と屋根の間の小屋裏空間を使用することができません。

小屋裏を収納等で利用したい場合には屋根断熱を採用する必要があります。

 

天井断熱は比較的施工が容易なため、どんな建築会社でも採用しやすい断熱方法です。しかし、職人の技術や施工の考え方によって精度にバラつきが出やすいという弱点もあります。

 

屋根断熱のメリットとデメリット

後悔しない家づくりのための断熱の基礎知識【屋根(天井)断熱を詳しく解説】次に屋根断熱についてご説明します。

屋根断熱は、天井部分ではなく屋根に沿って断熱層を設けます。

屋根の内側から断熱材を施工したり、外断熱(外張り断熱)工法では屋根の構造を覆うように外側に断熱材を張り付けたりする断熱方法です。

屋根断熱のメリット

屋根断熱の代表的なメリットには次のようなものがあります。

小屋裏に熱気がたまらない

屋根の部分で断熱するため、小屋裏空間に熱気がたまるのを防ぐことができます。

ロフトや屋根裏部屋として利用できる

屋根で断熱することで、小屋裏空間は居室と同じ環境になり、温度差が無くなります。

そのため、ロフトや屋根裏部屋として快適に活用することができます。

屋根部分のすき間を防ぎやすく気密性を高めやすい

天井には換気用のダクトなど様々な配管や配線が通ります。そのため、天井断熱ではどうしても隙間ができやすくなります。

屋根断熱では配線などがあるさらに上を断熱するため、隙間ができにくく気密性を高めやすいのです。

【外断熱(外張り断熱)工法の場合】構造躯体が長持ちする

外断熱(外張り断熱)工法では、屋根の外側から構造躯体も含めて断熱材で包み込みます。

そのため、構造躯体が外気の影響を受けにくく、長持ちさせることができるのです。

 

屋根断熱のデメリット

屋根断熱の代表的なデメリットには次のようなものがあります。

屋根の断熱施工費が高くなる

屋根断熱は天井断熱に比べて施工面積が大きくなります。そのため、断熱に必要な施工費がかさみ、建築費は高くなってしまいます。

施工技術が必要になる

屋根断熱は天井断熱よりも施工面積が増える上に、内断熱であれば上向きの作業となるため丁寧な施工が必要になります。

そのため、施工技術のしっかりした建築会社でなければ隙間など施工不良の原因になってしまいます。

 

遮熱と断熱

後悔しない家づくりのための断熱の基礎知識【屋根(天井)断熱を詳しく解説】「断熱」と「遮熱」は考え方が異なります。

●断熱は「断熱材により熱の伝わり方を遅くする」ことです。
●遮熱は「日差しを吸収しないように反射させる」ことです。

 

屋根の遮熱

屋根における遮熱の方法には遮熱塗装・遮熱機能付き屋根材・遮熱シートの3つがあります。

安価なのは遮熱効果のある「遮熱塗料」を塗ることです。

塗料はリフォーム工事でも施工しやすいため、現在の住まいで屋根部分の断熱性能を上げたいとお考えの方には、遮熱塗料がお勧めです。

遮熱機能付き屋根材や遮熱シートの施工は大掛かりな工事になるため、新築時に提案を受けて採用するか決めると良いでしょう。

 

まとめ

後悔しない家づくりのための断熱の基礎知識【屋根(天井)断熱を詳しく解説】本記事では、「屋根(天井)の断熱」について詳しく解説しました。

天井断熱では比較的安価に施工ができるというメリットがある反面、断熱層に隙間ができやすいことや、小屋裏に熱がたまり特に夏場は家にとっても過酷な環境となるというデメリットがあります。

屋根断熱では、小屋裏空間を活用できることや気密性が高められる事、構造躯体へのダメージを抑えられるというメリットがあります。

その反面、天井断熱に比べて施工費用が高くなってしまう事や、正しい施工には技術が必要になるというデメリットがあります。

外断熱(外張り断熱)工法では必然的に屋根、それも屋根の外側から断熱材を施工します。ただし内断熱(充填断熱)工法でも屋根面で断熱する会社が多いというのが実状です。

このことからも、断熱効果や気密性能、空間利用の面でも屋根断熱はデメリットが少ない断熱方法と言えます。

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