断熱性能
住宅において断熱は重要な指標のひとつです。そこで、断熱性を表すUA値や断熱性が高い家のメリットなどを解説しています。
断熱とは
断熱は、建物や構造の内部の温度を一定に保つため、外部の気温の変化による影響を最小限に抑える役割を担います。熊本工務店は断熱にこだわって施工をおこなっています。
断熱の種類
断熱の方法は、どのような工法でどのような断熱材を組み合わせるかで各社特徴がありますが、熊本工務店では、「工法に外断熱」「断熱材にキューワンボード」を採用しています。
工法の種類
内断熱
内断熱とは、建物の構造の内側に断熱材を敷き詰めていく工法です。施工がおこないやすく、建築コストも安いというメリットがありますが、気密性の確保が難しく、結露発生のリスクが高いというデメリットがあります。
外断熱
外断熱とは、建物の構造の外側を断熱材で包み込んでいく工法です。気密性を確保しやすく、結露発生のリスクも激減するというメリットがありますが、施工に技術が求められ、建築コストも高いというデメリットがあります。
断熱材の種類
断熱区分 | 熱伝導率 |
---|---|
F | 0.022以下 |
E | 0.023~0.028 |
D | 0.029~0.034 |
C | 0.035~0.040 |
B | 0.041~0.045 |
A-1 | 0.046~0.050 |
A-2 | 0.051~0.052 |
熱伝導率は、数値が小さいほど熱が伝わりにくい(断熱性が高い)ということを示します。熊本工務店で採用しているキューワンボードの熱伝導率「0.021」は、断熱区分の最高等級であり、外断熱の工法とも非常に相性が良い断熱材です。
外断熱の特徴
外断熱は、建物の構造を断熱材で包み込むため、部材が外気の影響を受けなくなり劣化を遅らせることができます。また、冬場の壁内結露の発生を防止するので建物の長寿命に繋がります。
さらに、気温が35℃を超える猛暑日でも0℃を下回る真冬日でも、家の中はTシャツで過ごせるほど快適な温度を維持し、冷暖房効率が上がるため光熱費を大幅に削減します。
加えて、居室間の温度が一定になることで、急激な室温の差などにより引き起こされるヒートショック(脳梗塞や心筋梗塞など)のリスクも低減されます。
窓と床の境目の温度変化
住宅で最も熱が伝わりやすいのが窓です。壁の断熱ばかりに注目しがちですが、窓を断熱性が高いものにすると温度が快適になります。
見た目では判断できない気密や断熱の性能ですが、サーモグラフィカメラを使うと見ることができます。下記写真は、「一般的な家」と「熊本工務店の家」を比較したものです。赤色から白色の部分が「高温」、緑色から青色の部分が「低温」となります。
※下記写真はどれも35℃以上を記録した8月の猛暑日に撮影しました。
一般的な家(アルミサッシ)
アルミサッシの部分がベランダと同じ高温を示す白色になっており、家の中心に近づくにつれて少しずつ温度が下がっています。これは、外の熱が窓を通り抜けて室内に影響を与えているということです。
熊本工務店の家(樹脂サッシ)
樹脂サッシの部分から温度が下がり始めており、室内は低温を表す青色になっています。このように樹脂サッシは外気の影響を受けにくくなり、夏も冬もエアコン1台で室温管理を効率的におこなえます。
壁と天井の境目の温度変化
じつは、住宅の施工で最も高い精度が必要なのは壁と天井の境目です。この部分の施工が甘いと「断熱欠損」が起こり、外気の影響をそのまま受けてしまいます。
特に冬場の影響は大きく、断熱欠損している部分で「壁内結露」が起こり、見えない壁の内側でカビが大量に発生します。また、壁内結露による水分の重みで断熱材がずれ下がり、断熱欠損がさらに広がってしまう恐れもあります。
一般的な家
壁と天井の境目が高温を表す赤色や白色になっています。ここが断熱欠損を引き起こしている箇所です。冬場には壁内結露が発生する危険性があります。
熊本工務店の家
少し緑色に変化していますが温度はほぼ均等になっています。この状態は隅々までしっかりと断熱材が施工されていて、気密処理もきちんとおこなわれていると言えます。
外断熱のメリット
光熱費が安くなる
外断熱の家は、気密性が高いため魔法瓶のように外気の影響を受けなくなります。冬場は室内の暖気が外に逃げにくく、夏場は室内の冷気が外に逃げにくくなり、エアコン1台で快適にできるため光熱費を大幅に削減できます。
結露がなくなる
外断熱で壁内結露を防ぎ、窓に樹脂サッシを採用すれば結露への不安を解消できます。結露がなくなれば、それが要因となるカビやダニなどのハウスダストなどを抑えられ、シックハウス症候群を予防することにも繋がります。
防音効果が高まる
外断熱の家は、気密性が高いため防音効果も高まります。外部の音を遮断するため道路や線路の近くでも静かに暮らせます。また、室内の音も外部に漏れにくいため、生活音やお子さまが騒ぐことによるストレスも軽減できます。
家が長寿命になる
構造が断熱材に包まれることで外気の影響を受けにくいため、構造の劣化を抑えることができて家の寿命が長くなります。また、基礎に防蟻処理された断熱材を使用することで、シロアリ被害の可能性を減らすことができます。
空間を有効活用できる
外断熱の家は、小屋裏を居室と同じ環境にできます。吹き抜けの開放的な部屋やロフトを設けたりもできます。一般的な住宅では物置のようにしか使えなかった空間を、自由に使える空間として活用できるようになるのです。
断熱を測れるUA値
断熱性能は、2013年に省エネルギー基準の大幅な改正がおこなわれ、外気に触れる壁や屋根などの面積を考慮した「Q値」が指標として設定されました。さらに、2016年の改定により、現在は「UA値」が指標となっています。
UA値の基準
UA値は数値が小さいほど断熱性能が高いことを示しており、その基準はエリアによって区分されています。熊本県は地域区分5~7にまたがっているため、下記表にてUA値の基準をまとめました。
基準 | 5地域 | 6地域 | 7地域 |
---|---|---|---|
省エネルギー基準 | 0.87 | 0.87 | 0.87 |
ZEH基準 | 0.60 | 0.60 | 0.60 |
HEAT20 G1水準 | 0.48 | 0.56 | 0.56 |
HEAT20 G2水準 | 0.34 | 0.46 | 0.46 |
HEAT20 G3水準 | 0.23 | 0.26 | 0.26 |
熊本県の5地域
八代市(旧泉村)、阿蘇市、南小国町、小国町、産山村、高森町、南阿蘇村、山都町、水上村、五木村
熊本県の6地域
八代市(旧坂本村、旧東陽村)、人吉市、荒尾市、玉名市、山鹿市、菊池市、合志市、美里町、玉東町、南関町、和水町、大津町、菊陽町、西原村、御船町、益城町、甲佐町、錦町、多良木町、湯前町、相良村、山江村、球磨村、あさぎり町
熊本県の7地域
熊本市、八代市(旧八代市、旧千丁町、旧鏡町)、水俣市、宇土市、上天草市、天草市、長洲町、嘉島町、氷川町、芦北町、津奈木町、苓北町
熊本工務店のUA値(断熱性能)
熊本工務店のUA値の平均は「0.50」です。標準で6地域のHEAT20のG1水準まで断熱性能を確保しています。
熊本工務店のηAC値(遮熱性能)
熊本工務店のηAC値の平均は「1.8」です。こちらは断熱ではなく遮熱の指標となります。7地域の遮熱の基準が「2.7」ですので高い遮熱性能を誇ります。
まとめ
断熱性が高い場合、快適な暮らしと省エネな暮らしを両立することができるため、お住まいになる方にとっても数々のメリットが生まれます。そのため、住宅選びにおける重要な指標にできるでしょう。
断熱性を測るUA値の基準は明確に定められていますが、その断熱性を活かすには気密の高さが必要になります。そのため、UA値とC値はセットで比較検討されることをお勧めします。
熊本工務店では、お客様に安心の住宅を届けたいという想いから、UA値だけでなくC値もきちんと公表しておりますので、数々のメリットがある高断熱住宅にお住まいになりたい方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。