注文住宅で快適な狭小住宅を建てる方法【失敗しないためのコツを解説】

注文住宅で快適な狭小住宅を建てる方法【失敗しないためのコツを解説】

熊本の好立地な場所で土地を見つけても、面積がとても小さかったという経験はないでしょうか?いわゆる狭小地と呼ばれる土地には、小さな土地特有の注意しておくべきことがあります。

本記事では、注文住宅で快適な狭小住宅を建てる方法や失敗しないためのコツを、建築の費用や間取りのヒントをもとに解説します。

 

 

狭小住宅とは

狭小地とは、一般的に10坪~20坪程度の土地を指すことが多いのですが、じつは明確な定義はありません。また、狭小住宅も同様に明確な定義はないものの、15坪~20坪程度の小さな住宅と言われています。狭小地は首都圏に多く、熊本県では主に熊本市内に多く見られます。

建築的な制限が多い中、あえて狭小地に戸建て住宅を建てる方は、生活や交通の利便性、または、すでに所有している土地の活用など、家づくりの優先順位として「立地が最上位」ということができるでしょう。

 

狭小住宅のメリットとデメリット

注文住宅で快適な狭小住宅を建てる方法【失敗しないためのコツを解説】

狭い土地に家を建てる場合、間取りや広さに制限があることは予想できると思います。では、その他のメリットとデメリットにはどのようなものがあるのか確認してみましょう。

 

注文住宅の狭小住宅のメリット

注文住宅の狭小住宅のメリットには、以下のようなことが挙げられます。

●都市部の立地は生活や通勤の利便性が高い

●土地の面積が狭いので建築総額が安くなる

●オリジナリティの高い間取りが可能となる

 

注文住宅の狭小住宅のデメリット

注文住宅の狭小住宅のデメリットには、以下のようなことが挙げられます。

●日当たりや風通しを確保するのが難しい

●交通量の多い繁華街では騒音が気になる

●家自体が狭いので生活動線に余裕がない

●駐車場のスペースを確保するのが難しい

●特別仕様が多くなり建築費が割高になる

●階段などのバリアフリーの設計が難しい

●間取りの制限によって収納が取りにくい

 

注文住宅の狭小住宅の建築制限

メリットとデメリットの比較を見て、デメリットが多いように感じられたと思います。その理由の1つに、狭小地では住宅建築の際に法的な制限を大きく受けることが挙げられます。それはどのようなものか解説します。

市街化を促進させる区域には、用途地域という宅地・商業地・工業地などの、環境に合わせた規制があります。それぞれの用途によって内容は異なりますが、狭小地での住宅建築に関わる制限をイメージとしてまとめると次のようになります。

注文住宅で快適な狭小住宅を建てる方法【失敗しないためのコツを解説】

このように、隣地への日当たりや通風を考慮した斜線の制限や、建てられる建物の大きさを定めた建蔽率(けんぺいりつ)・容積率(ようせきりつ)、建物の高さの制限などで、建物が建てられる範囲や屋根の形に制限がかかります。また火災や3階建ての法律に対応する制限などで、窓や使用する建材への指定が厳しくなるなどします。

狭小地を購入して注文住宅を建てる場合、必要な生活空間が確保できるか、しっかりとプラニングをしてもらった上で、ご納得の上で購入されることをお勧めします。

 

注文住宅の狭小住宅の住宅性能

注文住宅で快適な狭小住宅を建てる方法【失敗しないためのコツを解説】

狭小地であっても制限の範囲内であれば、自由にお客様の意向通りの家を設計することは可能です。しかし、住宅の居心地の良さやランニングコスト、メンテナンスコストなどの性能に関わる部分まで考慮して設計をおこなわなければ、後悔のない家づくりは実現できません。

建築的な制限の多い中で住み心地の良い住宅を建てるには、断熱性能や気密性能などの住宅の性能は、特に考慮すべき大きなポイントと言えます。住み心地の良い狭小住宅を建てるために、特に注目すべき性能は以下の通りです。

●断熱性能
●換気性能
●気密性能

それぞれ順番に解説します。

 

断熱性能

日当たりや風通しのために吹き抜けをつくるのは設計のポイントの1つです。しかし、空間が広くなるため、断熱性能を高めておかなければ、特に吹き抜け周りが寒い家になってしまう恐れがあります。十分な断熱性能がなければ、快適性を高めるための吹き抜けが、逆に不快な設計となってしまう可能性があるのです。

 

換気性能

現代の住宅では、建築基準法の定めにより計画的に換気をします。機械によって家の空気が2時間に1回入れ替わるので、周囲の環境や天候に左右されず、常に新鮮な空気を循環させることができます。換気にも大きく3種類ありますので、周辺の空気環境やランニングコストを考慮し、適切な換気を選ぶことが大切です。

 

気密性能

周囲の騒音や自宅の音漏れを防ぐには遮音性能が大切です。また、断熱性能や換気性能を十分に発揮するには気密性能が非常に重要です。遮音性能や気密性能は、使用する建材によるところもありますが、建築会社の施工技術に大きく左右されます。快適に暮らす上で気密性能はこだわっていただきたいところです。

 

注文住宅の狭小住宅の間取り

注文住宅で快適な狭小住宅を建てる方法【失敗しないためのコツを解説】

狭小住宅の設計は難しいため、3階建ての建売住宅として販売されていることも多いです。ここでは注文住宅の狭小住宅を建てる際の間取りのヒントをお伝えします。

 

一般的な間取りのイメージを捨てる

設計士に間取りの要望を伝える際、「リビングは〇帖、寝室は〇帖、子供部屋は〇帖、収納は〇帖は欲しい」という話をしてしまうと、狭小地を活かしたプランニングが難しくなります。そもそも建物の面積を広くとることができないため、すぐに面積がオーバーしてしまうからです。

 

長期的なライフスタイルから考える

新居に入れる物はどれくらいあるのか、家族の生活リズムはどのようなものか、家では何を重要視して暮らしたいのか。狭小住宅では、家づくりに取り入れられるものは限られているため、通常の家づくり以上にライフスタイルを明確に思い描いて設計士に相談するようにしましょう。

 

自由な発想から最適なプランを生む

発想を柔軟に取り込み間取りを作成すると良いでしょう。例えば、デッドスペースを活用した収納やロフト、スキップフロアを活用したワークスペース、リビングダイニングの一体化、リビングを狭くして個室にゆとりを持たせるなど、広さの限られた土地ならではの考え方が大切です。

 

吹き抜けの活用や地下室も考慮する

吹き抜けをつくると、その空間が明るくなり開放的に感じられるようになります。また、地下室をつくることで新たなスペースを確保できるため選択肢になるでしょう。ただし、住宅密集地の地下室工事は、周囲の土が崩れないように鉄板を打ちこんだり地下水を扱う技術も必要になります。

それらを踏まえて、施工中・施工後のリスクが高い地下室工事は熊本工務店では請け負っておりません。地下室の施工に関しては施工実績が豊富な会社や、資本が大きく施工中・施工後のリスクをしっかりカバーできる会社を選択しましょう。

 

注文住宅の狭小住宅の費用

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最後に、注文住宅の狭小住宅の建築をおこなう場合の費用についてお伝えします。

 

1000万円台で建築することはできる?

狭小住宅は面積が小さいため価格を抑えられます。性能を考えなければ1000万円台で建築も可能でしょう。ただし、狭小地に建てることと狭小住宅を建てることは別です。狭小地でも30坪以上の建築できる場合もありますので、そうなると価格は通常の2階建てと変わらないでしょう。また、3階建ては工事費用がより高くなります。

熊本工務店では、建物面積が小さくとも高性能住宅にこだわった家づくりをしていますので、残念ながらローコストでの建築は難しいのが現状です。

 

狭小住宅の建物価格は割高になる

狭小住宅で快適な注文住宅を建てるには、特別な設計や工事が必要になるため、割高になってしまう可能性があります。3階建ての場合は、2階建てにはない構造計算の費用もかかります。また、建物が小さければ小さいほど計算上「坪単価」は上がるため、坪単価で建築会社を比較するのはあまり現実的ではありません。

坪単価については「坪単価のカラクリ」のページで詳しく解説しております。

 

価格優先なら建売住宅を検討する

安価で住宅を手に入れたい場合、建売住宅を検討することになりますが、ライフスタイルに合う家ではなくなります。また、熊本では首都圏のような狭小住宅の建売物件の数は多くありません。建売住宅を検索し、記載されている販売価格がエリアの相場となりますので、販売中の物件で比較検討することをお勧めします。

 

理想の住宅が建築できるか確認する

現在の家賃やファイナンシャルプランから、ご自身のマイホーム計画の総予算を割り出しましょう。そして、土地価格や諸費用の概算を差し引き、建物にいくらくらいかけられるかを考えます。その上で、どのような住宅が建築可能なのか相談するという流れが、現実的にも金額把握の面でも早いと言えます。

 

まとめ

注文住宅で快適な狭小住宅を建てる方法【失敗しないためのコツを解説】

本記事では、注文住宅で快適な狭小住宅を建てる方法や失敗しないためのコツを、建築の費用や間取りのヒントをもとに解説しました。

決まったデザインがない注文住宅で、特別な設計が必要となる可能性があるため、建物の価格や費用の概算がわかりづらい狭小住宅ですが、どのような家をどのような価格で建てられるかを知るには、建築会社を回って設計士に間取りを描いてもらい、見積りを取って比較検討されると良いでしょう。

もし、熊本で注文住宅の狭小住宅をお考えの方がいらっしゃいましたら、無料で設計のご相談にお応えしておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。