注文住宅の省エネには欠かせない断熱性【2025年に後悔しない断熱基準】
2025年に断熱性を含む省エネ基準が義務化されるのをご存知ですか?2022年までの断熱の最高基準が、2025年には最低基準になるという大きな変化です。国がCO2削減に向けた施策のひとつとして、高気密高断熱な住宅を推進していることもあり、これからは高断熱であることが住宅の当たり前になります。
本記事では、注文住宅は2025年の断熱性能を含む省エネ基準義務化が決定しており、最低基準以下の断熱性にならないよう解説します。
目次
高気密と高断熱
「高気密高断熱=良い家」というのは多くの方がイメージできていると思います。改めて、注文住宅における高気密と高断熱という言葉の意味を確認しましょう。
●高気密住宅とは、住宅に隙間が少ない気密(密閉)性が高い住宅
●高断熱住宅とは、壁内に外気の影響を受けにくい建材を使用した断熱性が高い住宅
高断熱住宅のメリット
外気の影響を受けにくい建材を使用した高断熱住宅であることで、どのようなメリットがあるのか確認しましょう。
●室内が1年中快適
●光熱費を抑えられる
●ヒートショックを防ぐ
それぞれ順番に解説します。
室内が1年中快適
高断熱住宅は、夏の熱気や冬の冷気などの外気の影響を受けにくいため、家全体の室温を一定に保ちやすくなります。それにより、夏は涼しく冬は暖かい1年中快適な室内環境を実現できます。
光熱費を抑えられる
家全体の室温を一定に保ちやすいということは、エアコンなどの空調設備の出力を最低限に抑えることができます。外気の影響を受けにくく、室内の温度を逃がさないことで省電力につながり、光熱費を抑えることができるのです。
ヒートショックを防ぐ
ヒートショックとは、部屋の温度差によって血圧が急激に変化することで起こる脳梗塞や心筋梗塞などを言います。主にお風呂やトイレなどで起こります。高断熱住宅であれば、外気の影響を抑えることで家の中の温度を一定にし、ヒートショックを予防できます。
高断熱住宅は国が推奨
高断熱住宅で光熱費の削減や健康に貢献できることから、国も住宅の高断熱化に積極的です。世界的な共通目標であるCO2削減への貢献も期待されているためです。
2025年に断熱基準が大きく変わる
じつは、2025年に住宅業界は大きな変革を迎えることになります。それは、「これまで最高だった断熱等級が最低基準になる」のです。
2022年3月までは、品確法で定められた断熱等級の最高は断熱等級4でした。しかし、2022年4月に断熱等級5、2022年10月には断熱等級6・7が新設されました。そして、2025年に「断熱等級4」が全ての新築住宅に義務付けられるため、これまでの断熱の最高基準が最低基準となることからも国が住宅の高断熱化を強く推進していることがわかります。
注文住宅の断熱工法の種類
注文住宅で採用される断熱工法の種類は以下の通りです。
●充填断熱工法(内断熱)
●外張り断熱工法(外断熱)
それぞれ順番に解説します。
充填断熱工法(内断熱)
充填断熱工法は、内断熱と呼ばれており外断熱と区別されます。柱と柱の間などに断熱材を詰める(充填する)工法です。一般的に繊維系の断熱材が使用されます。充填断熱工法(内断熱)には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
充填断熱工法(内断熱)のメリット
●コストが安い
●施工が短時間でおこなえる
●施工が簡単で多くの会社で採用
充填断熱工法(内断熱)のデメリット
●気密処理が難しい
●結露が発生しやすくなる
●カビやダニの発生源になる
外張り断熱工法(外断熱)
外張り断熱工法は、外断熱と呼ばれていますが、木造住宅においては正式には外張り断熱工法といいます。柱や梁、面材などの外側に断熱材を張り、構造自体を包み込む工法です。外張り断熱工法(外断熱)には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
外張り断熱工法(外断熱)のメリット
●結露が発生しない
●光熱費が抑えられる
●家が長持ちする
外張り断熱工法(外断熱)のデメリット
●施工に時間とコストがかかる
●壁が厚くなるため面積が必要
●経験がないと気密性を確保できない
注文住宅の断熱性能の指標
内断熱・外断熱どちらを選んでも、これから住宅を建築する際には「高断熱」であることは必須と言えます。そこで、断熱性能を測る指標をお伝えします。
断熱性能を表すUA値
断熱性能は、UA値(外皮平均熱還流率)という値で示されます。UA値は、住宅の室内から外へ逃げる熱量を、壁や屋根など外皮全体の面積で平均した値です。
●UA値 = 熱損失量の合計 ÷ 外皮面積の合計
熊本県の断熱の基準
断熱性能の等級は、各地域ごとにUA値の基準が定められています。熊本県の多くのエリアは5・6地域に区分されており、八代市・水俣市・天草市などの一部地域は7地域となっています。
熊本工務店の断熱性能
高性能住宅にこだわる熊本工務店のUA値は平均0.50です。上記の表からもわかる通り、断熱性能の基準が見直され始めるよりも前からZEH基準を上回る高断熱住宅を提供しております。
また、これ以上の断熱性能を持つ家を建てることも可能ですが、熊本の気候と住宅価格のバランスを考えて、最適な断熱性能をご提案しております。
注文住宅の断熱で重要なサッシ
建物の屋根や壁の断熱性能が向上すると、熱は窓や玄関ドアなどの開口部から移動しようとします。そのため、高断熱を考える上では壁だけでなく窓などにも注意を向けることが重要です。
熊本県には高性能な樹脂サッシ
「梅雨や冬場に結露が起こりやすい場所はどこですか?」と聞かれたら、多くの方が窓と答えるのではないでしょうか。その理由は、窓ガラスやサッシにあります。日本では昔から安価で加工しやすいアルミサッシが使われ、現在でも多くの住宅で使われています。しかし、アルミは非常に熱を通しやすいため、窓際の寒さや結露の最大の原因となっているのです。
じつは、先進国の中でこれほどアルミサッシやアルミ樹脂複合サッシを採用している国は日本だけです。高断熱の意識が高い先進国では樹脂サッシや木製サッシがスタンダードです。寒暖の差が激しい熊本県で、これから住宅を建築される方には、断熱性能の高いペアガラス入りの樹脂サッシを採用することを強くお勧めします。
高断熱住宅の注意点
高断熱住宅を建てるならば「高気密」であることが重要です。なぜなら、高価で質の良い建材を使用して高断熱住宅にしても、気密性が低ければ断熱性能を活かしきれないためです。
気密性能に妥協しない
「真冬にダウンジャケットを着ても、もし穴が開いていれば隙間風で寒い思いをする」ということを想像するのは難しくないのではないでしょうか。
住宅において隙間の少なさを表すのはC値です。高気密高断熱の場合、最低でもC値1.0以下が必要と言われています。このC値は、使用する建材の影響もありますが、現場で丁寧に施工しなければ良い数値は出ません。
中途半端な住宅性能はNG
インターネットなどで検索すると「高気密高断熱な住宅を建てたけど後悔している」という声を見かけることもあります。以下のような後悔ポイントは、中途半端な住宅性能や設計の配慮が足りずに引き起こされることが多いです。
冬が寒い
思っていたより冬に寒さを感じる場合は、断熱性能や気密性能が不足していたことが考えられます。これから熊本県で注文住宅を建築する対策として、UA値は最低でもZEH基準の0.6、C値は最低でも1.0(できれば0.7以下)を基準にしましょう。
部屋が暗い
住宅の気密性能や断熱性能を高めるために、窓を小さくしたり減らしたりという理由と考えられます。窓の大きさや数も大事ですが、配置や吹き抜けなど家全体での設計によって、高気密高断熱を維持しながら明るさを確保することも可能です。
結露が発生
これは窓のサッシがアルミである場合や気密性能が不足していたことが考えられます。気密性能が低ければ隙間から外気が入り込み、法律で定められている計画的な24時間換気が実現できません。換気が悪ければ結露やカビが発生する元となります。
まとめ
本記事では、注文住宅は2025年の断熱性能を含む省エネ基準義務化が決定しており、最低基準以下の断熱性にならないよう解説しました。
2025年にやってくる断熱基準の厳格化はもちろん、日々快適な生活を送るために重要な住宅の断熱。そして、断熱性能を発揮するためには気密性能も重要です。
熊本に最適な高気密高断熱住宅を提供し続ける熊本工務店では、ZEHを上回るUA値0.50の断熱性能を標準とし、C値は0.7以下を保証しております。また、設計士と二人三脚の完全自由設計で、冬でも寒くない吹き抜けや開放的な空間を実現します。熊本県で高気密高断熱な注文住宅を建てたいとお考えの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。